現在の就職活動の特徴

多様化、分散化する就職活動の流れ

今や、インターネットでのエントリーは常識。さらに、多種多様な筆記試験・面接など、保護者の皆様の時代にはなかった採用形式も数多くあり、採用試験は複雑になっています。さらに、採用スケジュールの変更で、これまでよりいっそう、複雑に。保護者の皆様もぜひ知っておきましょう。

インターネットを使った企業へのエントリー

エントリーとは企業に対して「就職先として貴社に興味があります」と意思表示をすること。エントリーをすると資料が送付されたり、会社説明会の案内が届いたりします。
方法は企業によってさまざまですが、インターネットを使って、企業の採用ホームページや就職情報サイト上で行うのが一般的です。エントリーの締め切りが過ぎてしまうと、その後の選考に進めなくなってしまいます。また、就職情報会社が運営する就職情報サイトは、多くの企業の採用情報が掲載され、選考に関する企業とのやり取りもサイトを通じて行われることから、パソコンがないと就職活動が満足に出来ないのが現状です。

採用試験の第一関門であるエントリーシート

エントリーシートとは、住所や氏名のほか、「志望動機」や「自己PR」、「学生時代に打ち込んだこと」など企業独自の記入項目がある応募書類のこと。提出することで、企業への正式な応募となります。
多くの企業はエントリーシートをもとに書類選考で応募者を絞り込み、面接の際にも重要な資料として活用します。採用試験の第一関門であり、「どのような人物で、何がしたいのか」を判断されるため、学生にとって大変労力がかかるものです。
保護者の皆様は本人が気づいていない長所や能力をアドバイスしてあげましょう。保護者の皆様だからこそわかることもあります。書き上がったシートに目を通して、ご自身の経験をふまえてアドバイスを行うのもよいでしょう。

人材を見極める多様な採用試験

筆記試験は主に学力や知識を問う能力試験と職務の適正をはかる適性検査の2種類。最近では専門業者が作成したテストを使用する企業が増加し、指定された試験会場でパソコンを使って受験するテストセンター方式も普及しています。
また、論理構成力、思考能力、文章表現力、価値観を判断するために長文を書かせる「論作文試験」を導入する企業も年々増えています。

筆記試験の種類

1.能力試験

一般常識 国語、数学、英語、社会、理科の5教科で基本的に構成。中学・高校程度のレベルですが、企業ごとに問題の内容が異なる。
時事問題 社会や業界への関心度が問われる時事問題。業界・企業の動向や事件、政治・経済の動向や社会情勢の変化、世の中のトレンドなどが出題。
専門試験 業務に関わる専門知識が問われる。主に専攻の科目についての学力が試される。
語学試験 主に英語力が問われることが多く、レベルは中学~英検2級程度。和訳、長文読解、英作文、語彙の問題という構成

2.適性検査

SPI3 基礎能力、性格、意欲、行動、情緒などの側面から人物の特徴を明らかにするために、国語能力を測る「言語問題」と数学能力を測る「非言語問題」、職務適性を測る「性格適性検査」が出題される。
CAB コンピューター職の採用選考やIT業界で使用されることが多いテスト。暗算・法則性・命令表・暗号解読、性格テストで構成。
GAB コンサルティング業界や証券・商社などの幅広い業界で使用されているテスト。言語、計数、性格テストで構成。
IMAGES GABの簡易版ともいえる適性検査。テスト時間が短く、大量採用を行う企業や人気企業で実施。CABの暗算、長文読解、英語、適性検査で構成。
内田クレぺリン検査 銀行、鉄道会社、官公庁などで使われている検査。能力面を含めた性格・行動特徴を総合的に測定していく。

面接は採用選考の中でも採用選考の中でも企業が最も重視するプロセスだといわれています。
最近は多種多様な形式で面接が実施され、それぞれ評価されるポイントも異なります。言葉遣い、コミュニケーション能力、論理的思考、状況判断能力などが注目されますが企業がもっとも知りたいのは学生の「人となり」です。準備をしっかりと行い、自然体で臨むことが大切です。

<面接の形式>

・個人面接

学生が1人で受ける面接形式。自己PRや志望動機をしっかり伝えられる。

・集団面接

複数の学生が一緒に行う面接形式。受験者数を絞るときに行われることが多い。

・グループディスカッション

複数の学生がグループになり、与えられたテーマについて討論を行う。

・プレゼンテーション

与えられた課題についての企画を立案しプレゼンテーションする形式。

就職活動スタイルの多様化

2016年卒採用以降、大きく変わったのはスケジュールだけではありません。例えば2015年卒採用までは学生の動きは夏のインターンシップと春からの本選考がメインの動きできたが、2016年卒採用では、夏インターンシップ→秋イベント→冬インターンシップ→春・夏選考と活動内容も複雑化しています。企業もリクルーターの復活、キャンパスでのリクルーティングなど、多様な採用活動へと変化しています。情報をしっかりキャッチしつつも、振り回されないよう、よく考え動くことが重要です。

<幼児教育系の採用試験の概要>
  • 公立保育士・幼稚園教諭の採用試験(公務員)
    公務員試験」を突破することが大前提です。志望者は早い時期から着実に筆記試験準備をする必要があります。また、試験は各都道府県または市区町村ごとに異なるため、必ず募集要項で確認してください。
  • 私立の幼稚園・保育園・施設の採用試験
    採用試験は受験先独自の考えのもと、さまざまなパターンがありますが、能力とともに「人間性」を重視するケースが多い点が公務員と異なります。キャリア支援課のアドバイス、先輩たちの「内定報告書」が参考になります。
  • 幼児教育系の試験項目の代表例(共通)
  • 教養試験
  • 専門試験
  • 論作文試験
  • 実技試験
  • 面接(重要)
  • 体力測定

いずれも一朝一夕では身につきません。授業にしっかり取り組むとともに、対策講座などをしっかり受講してください。また、実技のピアノは合否を分けるポイント。日頃の練習を大切に。